英語講師執筆の苦労とジレンマ

前回は私が執筆をする機会を得た経緯について書きました。

それを踏まえて、今回は

・執筆の苦労 – 筆が進まない!時間がない!

・執筆のジレンマ

について書いていきたいと思います。

執筆の苦労「筆が進まない!時間がない!

執筆の苦労は大きく2つあると思います。

①筆が進まない

これは解説の肝となるところでぶち当たる壁です。読者に分かりやすい言い回しを考えて考えて考えて考えて考えて…1文書くのに3時間経過。普通です。それでも浮かばなくて、考えて考えて考えて考えて…、食事中も、お風呂中も、寝ているときも考えて考えて考えて…やっと浮かびます。

ちなみに、私はお風呂場にも、ベッドのわきにもメモ用紙を置いてすぐメモを取れるようにしています(お風呂場には防水メモと、濡れても書けるボールペンを置いています)。

また、参考書は説明を全て活字に落とし込むわけですが、これが大変!授業であれば黒板に図や表を描き、身振り手振りも踏まえて口頭で一瞬で伝えらえる内容でも、それを活字で分かりやすく伝えるというのは至難の業です。つまり、授業が上手い先生が必ずしも良い著者になるとは限りません。もちろん、授業には「魅せ方」が入ってくるので、良い著者が良い講師になれるとも限りませんが、執筆を通して、説明の全てを活字に落とし込んでいく訓練をすると、普段の授業は格段に上手くなります。それは、執筆により、生徒の理解を促す適切な言葉のストックが自分の中にたくさん溜まっていくからだと思います。

②時間がない

②の「時間がない!」ですが、これは執筆をする時間の確保が出来ない状態です。多くの講師(特に売れ始めた若手)はこれに苦しみ、執筆を途中で断念することも多いです

私の場合ですが、「イチから鍛えるシリーズ」の長文問題集を執筆していたころは、自塾・東進・河合塾・群馬大学・高崎経済大学・高崎健康福祉大学の6つを掛け持ちして、毎日のように群馬と都内を行ったり来たりしていました。

それぞれの授業の予習をしたり、テキストを作ったりしながら、さらに執筆をしていくというのは、タイムマネジメントを相当上手くしないとできません。かくいう私も、タイムマネジメントに苦しみ(授業もたくさんあって)、しょっちゅう徹夜をしていました。布団で寝ると寝すぎてしまうので、床で寝ていました(笑)

苦しかったなぁ…。でもそれを乗り越えたから今があると思うと「昔の自分よく頑張った!」という感じですが、当時は今よりも若く、パワーもあったので徹夜でも何とかなりましたが、徹夜や床で寝るのはやめましょう。体に毒です。

執筆をするときは、その時間を確保できるかをしっかりと考えた方が良いと思います。そして、執筆時間は予想の1.5倍~2倍見積もるべきです

人生は全てトレードオフだと思います。執筆には想定している以上の時間と体力が必要です。これを見誤ると執筆を完遂できず途中で投げ出すか、体調を崩すと思います

執筆のジレンマ

上で述べたように執筆はとてもパワーがいることですが、それでも執筆したいと思う講師は多いと思います。やはり、自分の経歴に箔がつきますし、何より自分の教え方・考え方を多くの生徒に伝えるチャンスです。

ですが執筆は多くの時間を割かなければならず、せっかく出版した本もヒットしない限り印税も多く入りません。

ここで悩みます。

「執筆せずに授業をしていた方が金になるのでは?執筆は割に合わない」と。

本を出したいけど、授業をしていた方が金になる。

私はこれを勝手に「執筆のジレンマ」と呼んでいます(笑)

でもこの執筆のジレンマに陥っている講師のなんと多いことか。正直、私自身も何度も悩んできました。

そして、だんだんと締め切りに遅れ、「授業をしているんだから仕方ない」と思うようになっていきます。

まさに負のサイクル。辛い…。

これは多くの講師(特に、授業をたくさん詰め込んでいる講師)が経験することなのではと思っています。

確かに執筆は大変ですが、私は執筆は未来の自分への投資だと考えるようにしています。毎日授業をこなしているだけだと講師としての成長スピードは鈍化すると思います。ですが、若くパワーがあるうちに執筆を経験できると、そこからたくさん学ぶことができ、授業のクオリティも高くなるので、結果として息の長い講師になると思います。

そんなことを考えながら、私は最近は自分よりキャリアの浅い若い先生たちと共著をするようにしています。若手の先生に執筆の機会と、私が今まで培ってきたものを全て伝えられればなと思っています。

ちなみにですが、皆さん、共著にすると、一人当たりの負担が減るから執筆が楽になると考えるでしょう?いやいや、執筆はそんなに甘いものじゃないですよ

次回は共著にすることのメリット・デメリットについて触れていこうと思います。

共著には落とし穴がたくさん!

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