緻密な逆算と音読を軸にした英語の授業:東京都立豊多摩高等学校、亀田先生と長谷川先生の実践 Part2

東京都立豊多摩高等学校
亀田先生・長谷川先生

Points!

・亀田先生、長谷川先生が英語の先生を目指したきっかけ
・野球と英語の共通点!?
・英語の先生を目指す方へのメッセージ


インタビュー

今回は、後編ということで亀田先生、長谷川先生が英語教師を志したきっかけ、将来、英語講師を目指す人へのメッセージについても伺っていきます。

前編の記事はこちら

亀田先生、長谷川先生が英語の講師を目指されたきっかけを教えてください。

僕は野球をずっとやっていて、野球に関連した職業や体育教師に興味を持っていたのですが、足を怪我してしまってその夢が経たれてしまいました。もちろん、つらい気持ちはありましたが、気持ちを切り替えて、野球の次に得意だった英語の道に進もうと思いました。でも、野球と英語って考え方が結構似ているんですよ

そうなんですか!?どのようなところが似ているんでしょうか?

過程とプロセスを一致させるとことですかね。例えば、キャッチボールをさせる前にやらなきゃいけない基礎練習があるし、音読も音読させる前にやらなきゃいけないことがあるし。だから似ているなと思って。自分がそう思ってるだけかもしれないですけど。

亀田先生ならではの視点ですね。

ずっと野球をしていたので。例えば、ボール回しを塁間で成立させたければ、そのボール回しで使う足の運び方やリズムを短い距離で体に覚えこませる。塁間の3/4の距離、つまりソフトボールの塁間でそれを行う。それから正規の距離に入る。ノックや試合という大技にいきなり突入はしませんノックを打たずにボールを手で転がすだけで生徒が上達していく様子を見るのは面白いです。教員になってから自分はあまりノックを打っていないです(笑)

仰る通りで、英語でもいきなり音読ではなく、その前のプロセスが大切ですよね。ありがとうございます。長谷川先生はいかがですか?

私は育った環境に教員がたくさんいたのが大きいですね。実は高校3年生の進路面談で社会か英語にしようか迷っていたんですが、当時の担任が英語だったこともあり、「英語は教員の数が多いでしょう。英語の教員のほうがなりやすいでしょう」って説得されました(笑)

周りの環境も大きいですよね。

そうですね。ちなみに、自分が高校生の時は、英語を喋る機会が全くなくて。ずっと暗記ばっかりしていました。で、初めて海外に行って、全然喋れなくてショックでした。英検は準1級ぐらい持っていたんですが、「あ、全然駄目じゃん」って。なので、今の生徒たちには、授業で英語を話す機会を与えたいと思いますね。

私の時は情報が少なかったので、色々と自分でやるしかなかったですね。今の子供たちは、情報がいっぱいありすぎて、ある意味大変だなあってよく思います。情報を取捨選択できる力をつけないといけないですよね。学校ではそういう力を身につけられるような機会を与えたいと思います。

本当。そこに気づく子が出てくればいいんですけど、音読は1時間の授業の中しっかり入れられる時と入れられない時がありますからね。

確かに、情報過多だなと感じる世の中です。先生方、最後に将来英語の先生を目指す方に一言メッセージをお願いします。

留学に行こう(笑)!3週間でも1ヶ月でもいいから1回行って、本物をちゃんと体感してほしいです。

ちなみに、亀田先生は初めて海外に行かれたのはいつですか?

僕は大学2年生が最初です。全然喋れないし、聞こえないし、何なんだ!?と思いました。あまりにショックで、留学先から帰ってきた後のほうが勉強しましたね。やばいって思って。教員になったら英語の勉強は忙しくてあまりできないから、学生の今のうちに勉強したほうがいいです

とてもリアルなアドバイスだと思います。亀田先生、長谷川先生ありがとうございました。

編集後記

「生徒に英語をしゃべる経験を」「自分で情報を取捨選択できる力を」とても共感できるものでした。日々生徒と向き合う先生方の情熱を感じたインタビューでした。東京都立豊多摩高等学校の亀田先生、長谷川先生、お忙しい中ありがとうございました。

武藤一也が開発している「音読メーター」の活用術についてのインタビューはこちら

お問い合わせ・お仕事のご依頼